ダイビング後に飛行機に乗っちゃダメ!ダイビングツアーでの予定の立て方を考えよう
旅行先でダイビングを申し込むときに、飛行機に乗る当日のダイビングは受け付けてもらえません。
ダイバーであればCカードの講習で習いますが、体験ダイビングのような浅い水深で潜ったとしても、当日に飛行機に乗ることは危険です。
なぜダイビング当日に飛行機にのってはダメなのか、その理由とダイビング旅行のスケジュールの立て方をご紹介します。
この記事の目次
減圧症について知ろう
私たちが普段吸っている空気は、窒素と酸素の比率がおよそ8:2です。ダイビングでは、水圧の高い深度で圧縮された空気を吸うため、窒素が体内に蓄積されます。この窒素は、深度が浅くなるにつれて自然に抜けていくのですが、完全に抜け切るまでには潜水時間や水深に応じた時間がかかります。
もし窒素が体内に残った状態で、気圧が急激に下がった場所に移動すると、窒素が膨張して体内に気泡が作られます。
気泡ができる場所によって細胞や神経がダメージを受ける可能性があり、最悪の場合は血管が詰まって脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすこともあります。
このような症状は減圧症や潜水病と呼ばれ、ダイビングでは特に気をつけなくてはいけません。そのため、ダイビングの浮上時は、窒素の排出を促し減圧症を予防するために、水深5mで3分間の安全停止を行います。
減圧症と飛行機の関係
ダイビングの最終エキジット時間から飛行機に搭乗できるまでの時間は、指導団体によって若干異なります。
一般的には、1日1本のダイビングを行った場合は12時間以上の時間をあけ、1日2本以上の反復ダイビングや連日潜った場合は、最低でも18時間以上あけることが推奨されています。
ダイビング旅行計画の立て方
リゾートや海外でのダイビングツアーを計画するときに、時間が許す限り海に潜りたい!という気持ちもわかりますが、安全を第一に考えたプランニングを心がけましょう。
ダイビングの後、飛行機に搭乗するまでの時間を18時間以上あけることができれば、前日までダイビングも可能です。
ただし、窒素の抜け方には個人差があり、長時間の潜水や深い深度で連続して潜った場合、18時間では窒素が抜けきれないという説もあるため、海外のダイビングサービスでは、24時間以上の時間をあけるよう組まれたツアーも多数あります。
帰りの飛行機の時間から逆算し、18時間以上あくようにダイビングの日程と本数を決めます。
最終日のダイビングは2本以内に抑え、最後は減圧を兼ねて浅いポイントでまったり楽しむなどの余裕を持つことをおすすめします。
ダイビングツアー日程の例
例1:沖縄4日間の場合
1日目 出発(時間が合えば到着日ダイブ)
2日目 ダイビング 2ダイブ+オプション1ダイブ(ナイトダイビングもおすすめ)
3日目 ダイビング 2ダイブ(午前中に終了)
※18時間以上開ける
4日目 帰宅(午前8時以降の飛行機ならOK)
例2:海外などで深夜の飛行機で帰る場合
1日目 出発
2日目 2ダイブ+オプション2ダイブ
3日目 2ダイブ+オプション1ダイブ+ナイトダイビング
4日目 観光やショッピング(高所アクティビティはNG)
5日目 帰宅(何時でもOK)
飛行機だけじゃない!標高の高い場所に注意
ダイビングの後は、窒素が残った状態で気圧が下がると、体内に気泡ができるから危険ということなのですが、注意が必要なのは飛行機だけではありません。あまり考えられませんが、ダイビング後の登山やスカイダイビングなど、標高400mを超える場所への移動は減圧症のリスクが高まります。
ほかにも、ダイビング後の宿泊先や、ドライブで偶然通った場所が標高の高い場所だったということがないように計画を立てることも大切です。
おわりに
ダイビングの後は飛行機に乗れないと聞くと、何だかもったいない気分になるかもしれません。
ですが、安全にダイビングを楽しむためには、必ず守らなければいけないルールもあります。
もし減圧症にかかると、最悪の場合に命を危険に晒すだけでなく、軽度であっても専用の治療装置がある病院に何度も通わなければいけないので、時間や金銭的な負担も大きくなります。せっかくのダイビング旅行なので、余裕を持った計画を立てて、心ゆくまで楽しみましょう。