とっておきの沖縄の冬の海!クジラの歌声が聞こえる慶良間ダイビング
毎年12月末頃から3月にかけて、慶良間諸島の海にはザトウクジラがやってきます。
その目的は、出産と子育て、交尾などの繁殖のためです。そのため、慶良間諸島の多くのダイビングショップでは、マリンオプションの目玉として「ホエールウォッチング」が盛んにおこなわれています。ザトウクジラの生態や、親子が一緒に泳ぐ姿が間近で観察できるとして、例年大変な人気を集めています。
ザトウクジラについて
ザトウクジラは、体長約13~15メートル、体重は約30トンにもなります。頭部には特徴的な大きなコブが見られます。生まれたばかりの赤ちゃんでも、体長は5メートルほどの大きさがあります。
子育ての時期が終わる春頃になると、慶良間の海から離れてアラスカ方面へと北上します。ザトウクジラは体重の3%~5%のエサを必要とし、その量は約1トン以上。主食はニシンやタラ、シシャモなどを食べます。
ホエールウォッチングの楽しみ方
ホエールウォッチングでは、ザトウクジラが見せるさまざまな行動を目にすることができます。
例えば、呼吸のために水面に大きく息を吐く「ブロウ」。
白い霧の柱が最大5メートルほど吹き出し、太陽の角度によっては美しい虹がみられることも。座間味島では、『ブロウをかぶると幸せになる』というジンクスもあるようです。
「テールスラップ」は、水面に突き出したテール(尾びれ)を海面にたたきつける行動です。同じように胸ビレを海面にたたきつける「ペックスラップ」という行動もあり、仲間への合図を送っているという説があります。複数のクジラが同時に見せると見応えがありますよ。
ザトウクジラの行動で最も期待したいのが、「ブリーチ」と呼ばれる水面を飛ぶように全身で跳ね上がる行動です。
上半身だけだったり、回転したりと、さまざまなパターンが見られますが、間近でみるダイナミックな行動に圧倒されること間違いなしです!
まれに「スパイポップ」と呼ばれる、頭を水面に出してキョロキョロと周囲の様子をうかがっているように思える行動を見せることも。とても珍しい行動なので、見られたらラッキーです!
このように、冬の慶良間諸島では、普段は知ることができないザトウクジラの生態を観察することができます。
クジラを楽しむダイビング
そんな慶良間諸島では、冬の時期ならではの特別なダイビングが体験できるんです。
実は、このホエールウォッチングの鯨の遭遇率は約95%!!かなりの高確率ですよね。
ということは…ダイビング中にクジラに出会えるかもしれない?!
と思うかもしれませんが、残念ながら海中でクジラに会える確率は低いようです。
でもがっかりしないでください。
慶良間の海中では、ダイビング中にクジラの鳴き声がときおり聞こえてきます。
初めて耳にすると何の音なのか分かりにくいのですが、普段とは違う海中の音に気を配ってみてください。
クジラの鳴き声は「ホエールソング」とも呼ばれ、まるで歌っているかのような独特のリズムや音域があります。
同じ海域に棲むクジラはみんな同じメロディーを歌っているのだとか。
静寂な冬の海の中で響くクジラの声はとても神秘的です。
ダイビングが終わっても、ボートで帰港している途中にも比較的高い確率でザトウクジラを見ることができます。
ダイビングはもちろん、ついでにホエールウォッチングも楽しめるのは、冬の慶良間諸島ならではの貴重な体験ですね。
まとめ
この冬は、慶良間諸島【渡嘉敷島・座間味島・阿嘉島】でダイビングをしてみませんか。
冬のダイビングは夏と違って人が少なく、インストラクターが受け持つゲストの数も減ります。
そのため、初心者でも安心のゆったりのんびりとしたダイビングが楽しめますよ。また、海中の透明度が高くなるのも魅力的です。
夏とは違った光景を見せる冬の慶良間の海で、ホエールソングを聞きながら癒しのダイビングを体験してみてはいかがでしょうか?