沖縄に行くなら透明度の高い海で潜りたい!透明度について知っておこう
ダイビングするならやっぱり透明度の高い綺麗な海が一番。様々なダイビングスポットはあれど、その中でもやはり沖縄が群を抜いています。透明度についての解説とおすすめエリアを見ていきましょう。
この記事の目次
海の透明度と透視度の違いは?
ダイビングでは、透明度や透視度という言葉を使いますが、水中で見える方向によって呼び名がことなります。透明度とは、水面から海底に向かって、垂直方向に見える距離のことを指します。
透明度を正確に測る方法は、直径30cmの紐をつけた白い円盤を水底に沈め、水面から見えなくなるまでの距離になります。そして透視度は、水中で水平方向に向かって見える距離のことです。水質検査などでは、透視度計という専門の器具を使って計測します。
ダイビングでは基本的に目測で判断します。水中では物の見え方が約1.3倍になるため、距離感には個人差が生まれます。
透明度を知る目安
天候や地形によっては、透明度が1m~3mしかなく、エントリーしたものの、何も見えない状態の海で潜ることもあります。ただ、水面近くは濁っていても、水深が深くなるとクリアになることもあるので、アンカーロープを辿るなどボートから離れないように潜ってみて、様子をみましょう。
透明度が5m~10mになると、チームで潜っているときに先頭のガイドやインストラクターが見えにくくなってしまいます。うっかり見失わないように、常に注意を払いましょう。
透明度15m以上になると、ある程度離れた場所の根でも全体像が確認でき、多少距離をとっても見失うことはほとんどありません。透明度30m以上になると、水底や広域の地形が見渡せ、魚影も確認しやすくなります。視界が良いと、爽快なダイビングが楽しめます。
上手く距離感を掴むには
透明度が何mと言われてもあまりピンとこない場合、目標物までダイバーが何人分になるのか当てはめてみると、おおよその距離感を把握する手がかりになります。また、ダイビング終わりに、ガイドや一緒に潜ったメンバーと透明度をすり合わせる癖をつけると、平均的な感覚が身に付く練習になります。
春濁りとは?
春になるとプランクトンの影響で海が濁り、透明度が低くなります。この現象は「春濁り」と呼ばれ、透明度が高くて知られる沖縄の海でも起こります。
なぜプランクトンが増えるのかというと、1月~3月の冬の時期には海面温度が冷やされ、海水の下層と上層の密度が均等になります。そこへ北西からの季節風の影響を受けて海水が循環し、植物プランクトンや海藻の栄養となる栄養塩類が上層まで行き渡ります。
4月頃から気温が上昇し、海水面が温められます。すると、栄養塩類と温かい海水の影響で、植物プランクトンが爆発的に増殖します。このプランクトンによって、海水が濁ります。
海中ではプランクトンを餌とする小魚や、小魚を捕食する大型魚も増えます。そしてサンゴをはじめ、多くの生き物が産卵のシーズンを迎えます。この時期にダイビングをすると、ダイナミックな生命の営みを感じられるでしょう。
透明度が悪い海で気を付けることとは
視界が悪くなると、ガイドやバディを見失いやすくなります。あまり距離をあけすぎないように、視界の端には常に誰かを捉えるように心がけましょう。また、深度や方向感覚も狂いやすいため、いつも以上にダイコンや残圧計のチェックをこまめにしましょう。ナチュラルナビゲーションを意識して泳ぐといざという時に役立ちます。どんな状態でも焦らずに落ち着いた行動をとることが、安全のために何より大切です。呼吸を乱さず、ダイビングを楽しむ気持ちを忘れないでくださいね。
透明度が高い沖縄の人気エリア
沖縄の海は透明度が高いことでも知られていますが、その理由はプランクトンをあまり含まない貧栄養の黒潮が流れているためです。潮の流れも速く、濁りが少ない透明度の高さにプラスして、サンゴが堆積した白い砂浜や、砂浜に反射する強い太陽光などの影響もあって明るく美しい海中を見せてくれます。
沖縄本島
日本各地からアクセスも良好で利便性が高く、週末トリップも可能な沖縄本島。手軽に透明度の高い綺麗な海でダイビングが楽しめます。サンゴ礁が見事な「砂辺No.1」や「青の洞窟」、「万座ドリームホール」などの洞窟ポイント、大物遭遇率の高い「ホテルエッジ」など、初級者から上級者まで満足させてくれる、多彩な海中世界を堪能しましょう。
慶良間諸島
沖縄本島からの日帰りダイビングも可能な慶良間諸島は、渡嘉敷島や阿嘉島、座間味島など複数の有人島と無人島で構成されています。透明度の高さもさることながら、広大なサンゴ礁やそこで暮らすウミガメやナポレオンなどの生き物とも出会え、何度も訪れたくなる魅力が溢れています。
宮古島
宮古島には河川がなく、土砂と海水が混ざることがありません。そのため透明度が抜群に高く、目を見張るような美しい海が陸上からも水中からでも堪能できます。宮古島でダイビングをする場合、季節風の影響で夏は伊良部島、冬は下地島エリアが中心ですが、どちらもユニークな地形ポイントが多く、透明度の高い海中に光が差し込む様子が印象的です。
西表島
広大なサンゴ礁と群を抜く透明度の高さ。西表島の魅力は、圧倒的な自然の豊かさとも言えます。初心者から楽しめる見事なサンゴ礁の「バラスSP」や「クロミスヘブン」、上級者が虜になるダイナミックな大物ポイントの「オガン」など、ダイビングの醍醐味が詰まった秘境と呼べるエリアです。
おわりに
ダイビングを楽しむうえで、その日の透明度の高さは気になるポイントですが、天候や海況、季節などによって海が濁ってしまう日は避けられません。プランクトンが豊富な状態であれば、生き物たちの捕食活動が観察できるチャンスなので、安全を心がけてダイビングを楽しみましょう。